バラバラで一緒!

2016年10月13日

スポーツ番組とニュース以外はあまり見ないテレビですが谷村新司の「地球劇場」だけは毎回見ています。先日の番組では女性三人のコーラスグループKalafinaがウタビトとして出ていました。初めて見る顔でした。

谷村新司がこの三人を紹介するコトバに惹かれました。

「この3人はそれぞれがバラバラで・・・とってもいいんです。そういえばアリスもバラバラだったな!」

Kalafinaの事は初めて知りましたが、アリスは自分が若いころから好きなグループで、カラオケなどでは彼らのナンバーを好んで歌ったものです。

アリスが当時からバラバラな3人グループであったとは当事者しかわからない事情でした。そういえば最近は人気グループのスマップも解散がささやかれています。

個性が強く、能力が高いグループはそれぞれが一種のバラバラ状態と言えるのかもしれません。その前提に立ってグループが成り立っているのかもしれません。

 

自分がアルファー総合税理士法人を立ち上げた時に事務所の一つの理念として「バラバラで一緒」という言葉を掲げました。

もともとこの言葉は連如聖人500年忌の際のテーマワードだったものです。一見矛盾するこの言葉に自分は共感したからです。

もともと会計士であれ税理士であれ、独立の資格を持って仕事に臨んでいる者はそれぞれが自立していることが前提で、その上でどんなチームを作って仕事に臨むかが決め手となります。

「バラバラ!」とは決して「自分勝手」ということではありません。

それは各人が自分の個性と能力を生かし、各人の信念と感性に則って素直に生きるということです。更に大事なことは、このことをそれぞれが互いに認め合い尊重し合えるということです。

アリスにしてもスマップにしても各人の個性と能力は高く、且つ、それぞれを認め合ってきたことでしょう。ただ、各人の個性と能力が高ければ高いほどグループは分裂と背中合わせにあります。

「一緒!」とは自分を無にしてグループに尽くすということではありません。

それは孤立しないということです。グループとしての志に共感でき、そのベクトルを共有でき、グループで動くことの意義が自分で納得できるということです。

もともとバラバラが前提ですから一人の負担感が強くなれば「一緒に」とはいかなくなることでしょう。

分裂と統合は常に背中合わせにある両極の運動要素ですが同時にこの二つがバランスを取って作動していないとグループであれ組織であれ死んでしまいます。

このバランス軸を誰がどのような基準で左右するのかがその組織の成否を決めると言っていいでしょう。そこにグループの特徴が表れるのでしょう。

「地球劇場」を見ながら思いはえらく膨らんでしまいました。

Kalafinaの3人のお嬢さん達が急に眩しく見えてきたものです。